IoTとは「Internet of Things」の頭文字を取った言葉で「モノのインターネット」と呼ばれ、生活を豊かで便利にすべく様々な電気製品メーカーから、IoT機器が発売されています。
しかし、導入するにはWi-Fi設定やアプリのインストールをはじめ、デバイス間の連携に手間が掛かり普及が進んでいないのが現実です。

そこで、QRコードを読み込むだけで、IoT製品の一括操作や管理を可能とするソリューション「QR-Link」を開発した、株式会社リンクジャパン 代表取締役 河千泰 進一氏に話を伺うことが出来た。

河千泰 進一氏 インタビュー

株式会社リンクジャパン 創業のきっかけを教えて下さい。

「もともとIT業界に興味がありました、ですが…興味が湧くほどのカテゴリがなかなか見つかりませんでした。その中でもハードウェアには挑戦したいと考えていたタイミングで、IoTという言葉が世の中に出始め、意味を調べていくと『ネットワーク・ソフトウェア・ハードウェア』等が全部絡む新たな1つの存在だということがわかり、IoT事業を立ち上げることに致しました。IoT事業にも多様なジャンルがありますが、スマートフォンなら身近な存在で知り合いや友人に体験させることが出来るので、スマートホームに特化したIoT事業を始めることになりました。

「私はiPhoneにとても影響を受けています、当初Apple社はiPhoneの製造にあたり、ソフトウェアや企画でスタートし、ハードウェアやチップは全て外注で集めたものを組み立てて製造していました。自身も含め、iPhoneが世の中に使われていく様子を見て、『ものづくりのノウハウが無くても企画・サービス・ソリューションをしっかり作り込めば事業として成り立つ』と気づいたのです。それもスマートホームに特化したIoT事業を立ち上げた一つの理由でもあります。」

「QR-Link」開発のきっかけ

「IoT製品が完成し、利用者にマニュアルを渡してもWi-Fiやペアリング設定の煩わしさが高いハードルとなり、実際にはわずか5%程度の方しか製品を活用していただけてないのが現状です。家電メーカーもその課題に直面しています。」

「本来は便利だが、やらない・機能が活かせないといった課題を乗り越えないと『便利なのに使わない』という矛盾に陥ってしまいます。それを乗り越えて利用率を5%から80%に上げるために、手軽にユーザー様に利用してもらうべく『QR-Link』を開発したのです。」

開発にあたって苦労したことがあれば教えて下さい。

「『QR-Link』自体はクラウドベースのもので、基本的構造を作るまでの技術的なハードルは高いものではありませんでした。しかし、アプリ・クラウド・ハードウェアに入ったファームウェアといった一連のものが完全に安定して通信出来ることを担保させる必要がありました。試してみたけど何故か操作出来ないということが何度もあり、それらの問題を解決させるのに大変苦労しました。」

スマートホーム総合アプリ「HomeLink」について

「アプリ画面または『QR-Link』で読み込んだ画面から、エアコン・照明・家電をはじめ、室温・湿度・照度・在室状況のモニタリングや操作を可能とし、見守りとしての活用も可能です。しかし、初心者がこれらの機器を制御するための設定をするにはあまりにもハードルが高すぎます。

「『QR-Link』があれば、家族の中の有識者や管理会社またはハウスメーカーが予め設定した状態でQRコードを発行し、読み込ませることで家族や入居者は設定された管理画面をそのまま引き継いで使うことが出来るのです。また、追加で購入した機器でも赤外線リモコンが付いたものは基本的に弊社製品に登録することでIoT化が可能です。」

「読み込んだ管理画面のURLは、QRコードを読み込む度にリセットさせることでメンテナンスフリーとし、賃貸物件を例にすると、退去したのにも関わらず物件内を制御出来てしまうような問題を解決しています。

株式会社リンクジャパンより伝えたいこと

「弊社が目指しているのは、IoT化のトータルソリューションです。導入するならば、まるごとIoT化しないと意味が無いのでワンストップで提案出来て、他社製品も弊社のアプリ「HomeLink」で一括管理出来るようにしたいと考えています。製品ごとに専用アプリが増えると全く意味が無く、煩わしさからIoT家電を使わなくなってしまいます。」

「先日、岩崎電気社の製造する照明などに用いられる壁スイッチや、リンナイ社の給湯器にIoT機能を持たせたものを発表しました。現在は、IoT機器の一括管理を可能にすべくアライアンス・パートナーを募集しています。アライアンス・パートナーが多ければ多いほど制御できる機器が増え、人々の生活をより便利で豊かにすることが出来ます。」

今後の展望

「IoTが将来的に当たり前になるのは間違いないと思います。現状では各社がオリジナルのアプリで自社製品を制御している状態で世の中へIoTを普及する妨げになっています。同業の会社全体でアライアンスを組み、IoTの普及を推進していきたいと考えています。

「IoT製品は、一度使い出すと止められなくなる特徴がありますが、その最初のきっかけが必要不可欠です。宿泊施設や賃貸物件にIoTを導入することで利便性を広め、IoTを無くてはならない存在に変えていく… それを実現するためにハウスメーカーや不動産業界と協力し、IoTを体験出来る空間を世の中に提供したいと考えています。将来的には、リフォームの選択肢に新たにスマートホーム化というものが追加されることを期待しています。」

「QR-Link」を実体験

IoTメディアの記者は「QR-Link」が、如何に簡単なのか実体験することが出来た。

特定の場所にQRコードを設置する。

QRコードを読み込み、表示されたURLを開く

開いた管理画面から、ON/OFFボタンを押す

部屋に設置された照明が瞬時に点灯。
遅延感は無くボタンを押した瞬間にON/OFFが切り替わり、ストレスフリーで使える。

テスト用画面の為、実際と異なる場合があります。

今回のインタビューでは、河千泰 進一氏よりIoTの普及に抱える社会的問題と真のスマートライフ実現のための想いを語っていただきました。

IoTは日々の暮らしから社会全体の問題まで幅広く活用されることとなり、私達の生活に不可欠な存在となる。
その未来には、どのような効率化されたライフスタイルが存在しているのだろうか。
IoT化された未来には、間違いなくリンクジャパン社の絶え間ない努力と想いがあるのだろう。

■会社概要


会社名 : 株式会社リンクジャパン
代表者 : 代表取締役 河千泰 進一
所在地 : [東京本社]東京都港区芝4-7-1 西山ビル6階
      [福岡営業所]福岡市博多区住吉4丁目5-18
             クリスタルリゾートタワー904
資本金 : 20,000,000円
URL   : https://linkjapan.co.jp/
事業内容: IoTスマートホームデバイスの企画、開発、製造
      ビッグデータとAIを活用したスマートライフサービス、
      見守りサービスの開発

関連記事

賃貸物件や客室がQRコードを読み込むだけで即IoT化!日本初!新技術「QR-Link」開発成功